〈責任〉の生成-中動態と当事者研究 國分功一郎 熊谷晋一郎
責任問題があるけど、責任そのものが形骸化というか、それが「責任」というのか?と疑問を抱いていた。それに、最後「中動態」の概念をもちいて、示していただいた。
責任とは、責任あるものへとなるものである。
その責任の対極に、「意志」がある。
意志は、能動で、どうも、強迫的に迫るものがある。あなたの考えは?どうしたいのか?と問われても、実際のところは支配的なものばかりでもない。
本書の質疑の中で、組織でも能動的ではダメだとわかっているとのこと。たしかに、能動受動で全て指示、命令するかたちはうまくいかない。
ひとつのキーワードとして「高信頼性組織研究」がある。失敗を許容する。犯人探しをしない文化。個人を罰しない。
逆に、自分が経験したことは全て包み隠さず話さなくてはならない。これは、実際なかなかできない。組織全体の問題として全員が受け止め、考え、応答する責任は課される。
今日、こんな失敗をしました。あんな失敗をしました。とネガティブなことも話す。と、褒められる。「ジャスト・カルチャー」
逆説的である。
「本気で失敗を減らしたければ、失敗を許さなければならない」